● ネオホモの時代2(伏見徒然草 vol.66 「バディ」09.6) バディ6月号が書店に並ぶ頃には、映画『MILK』はもう公開になっていることだろう。伏見もこの作品の関連本『MILK 写真で見るハーヴィー・ミルクの生涯』(AC Books)の監修に関わったことで事前に試写を観たが、とてもいい映画だった。いや、個人的には「いい映画」などという生易しい表現では足りず、さまざまな思いが過去から横溢してくるのを止められない歴史ドラマだった。 ハーヴィー・ミルクは七十年代にサンフランシスコで活躍したゲイの活動家で、七十六年にはアメリカで初めてゲイであることをオープンにして市政執行委員に当選した。が、その二年後に、同僚によって当時のサンフランシスコ市長とともに暗殺されてしまう。アメリカのゲイリブの象徴であり、日本のゲイ解放運動へも間接的に影響を与えている。 伏見はミルクの時代の尻尾くらいは知っている