ショーン・フェイ著『トランスジェンダー問題――議論は正義のために』は、トランスジェンダーが直面する困難を事実に基づいて取り上げるとともに、すべての人に影響する社会正義の問題として論じる、これまでに類のない書籍です。本書の日本語版の刊行によせて、訳者である高井ゆと里さん(群馬大学准教授)より、読者の皆さまへのメッセージをご寄稿いただきました。 このたび明石書店より『トランスジェンダー問題――議論は正義のために』の翻訳を刊行することができました。わたしは、群馬大学で哲学の研究をしている高井ゆと里です。これから、この本がなぜ日本語に翻訳されなければならなかったのか、その理由を書きます。「トランスジェンダーなんて興味ないよ」という方もいらっしゃるかもしれません。でも、少しだけお時間をください。これは、トランスジェンダーの問題ではないのです。 ―――――――――――――――――――― さて、いまだ世
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