通信事業者(キャリア)でありながらベンダーのように通信技術を海外に売る――。そんな新たな潮流が日本発で生まれようとしている。1社は2020年春に本格的に携帯電話サービスを開始したばかりの楽天。もう1社は、1社独占時代から日本の通信を支え続けているNTTだ。期せずして対照的な2社が旧来のキャリアの枠組みを超え、自ら培った通信ネットワークのノウハウを外販するビジネスを志向し始めた。世界で存在感を失っていた日本の通信産業の起死回生の一打となるか。 楽天がRCPで目指す「通信インフラ版AWS」 「完全仮想化ネットワークによる携帯サービスの開始は序章にすぎない。今秋から順次テストを開始するRCP(Rakuten Communications Platform)こそが肝だ」――。楽天の会長兼社長の三木谷浩史氏は2020年8月に開催した決算会見でこう豪語した。 RCPは、楽天が自社サービス用に構築した完
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