業界標準の土俵においてもIBMは同様の戦略を採っている。その手法は、コンピュータ関連分野にとどまらず、通信分野にも深く入り込んでいる。実は、日本のメーカーが起死回生の切り札に期待するNGN(次世代ネットワーク)においても5年も前から着々と標準化を進めているのだ。 ソフトウエア部門で全世界の通信分野ソリューションを担当するティム・ゲルシンガー・ディレクタは、「NGNの時代になれば通信会社にも、ソフトウエアを実行するためのプラットフォームが必要になる。だからこそ、IBMはソフトとハード、そしてコンサルティングの部門でNGNに取り組んでいる」とさらりと言い放つ。 IBMが描いているのは、アプリケーション実行環境のミドルウエア「WebSphere」を中核としたプラットフォームをNGNの標準に仕立てることだ。そのためWebSphereに、IPネットワークの音声通信やデータ通信を扱うプロトコル・スタッ