大阪公立大学現代システム科学域 准教授 河村 悠太YUTA KAWAMURA 略歴 2019 年 3 月,京都大学大学院教育学研究科博士後期課程修了。博士(教育学)。日本学術振興会特別研究員 DC1,日本学術振興会特別研究員 PD (神戸大学),大阪府立大学現代システム科学域准教授を経て,2022 年 4 月より現職。専門は社会心理学。主な著書として『利他行動の促進・抑制 評判への関心に基づく検討』(単著,ナカニシヤ出版,2022 年)。 1.人助けは一般的に肯定的に評価される お年寄りに電車の座席を譲るとか,道が分からなくて困っている人を案内するといった日常場面の援助から,災害時の寄付・ボランティアに至るまで,他者のための行動は私たちの社会のあらゆる場面で観察される。本稿では心理学およびその近接領域の基礎研究の知見をもとに,人助けに対して人々がどのような評価を行うのかについて整理し,実社