数年前に産業用部品メーカーA社の工場長から聞いた話。 「当社の製品は耐久性、精度の面で競争相手に勝てません。下請け協力業者から納入される部品の不良率は2%もあります。社長はコストダウン優先で業者を育てる姿勢がありません。今は出荷までに発見して水際で止めていますが、このままではいつか大きな問題が起こりますよ。」 一つひとつ製品の出来栄えをチェックし、不良品を一切出さない立派な仕事振りの工場長でした。社長を批判する姿勢には問題がありますが、これも会社を愛するが上での発言なのでしょう。 いずれにせよ、品質を高めるための根本策は打たれませんでした。 後日、A社の社長から聞いた話。 「幹部は経営を分かっていませんね。うちは6ヶ月連続で赤字ですよ。もちろん品質には問題がありますから管理は徹底します。しかし、これは工場長が解決すべき問題であり、売上が伸びない今は、コストダウンで利益を