日銀が外貨政策のドル偏重を改め始めた。保有外貨に占めるユーロの比率が国際平均を上回っていることが明らかになった。日本は戦後、外貨準備の大半をドル資産で運用してきた。外貨準備運用の一翼を担う日銀がドル基軸に反旗を翻した格好で、国際的なドル離れに拍車をかける可能性がある。 「保有外貨でユーロが30%」の衝撃 11月の終わり。日銀は2006年度上半期財務諸表等とともに、保有している外貨(預け金、債券、投資信託、金銭信託)の通貨別割合を明らかにした。9月末時点の保有外貨はおよそ5兆2000億円。その65%をドルに、30%をユーロに、5%をポンドに振り分けていた。 これは衝撃だった。 日銀が保有する外貨は日銀の貸借対照表の資産に計上されているが、同時に国の外貨準備の一部でもある。外貨準備の通貨別運用の比率は政治的な意味合いを帯びているのに加え、市場への影響が大きいので国家機密のひとつと考えら