パワーエリートのネットワークを分析し、国際政治経済金融のキーパーソンを探る<なぜ交渉がうまくいかなかったか> 私は、日米関係を研究した結果から、嘉手納飛行場の返還はともかく、普天間飛行場の移転に関しては、相対的に困難を要しない案件であると考えておりました。にもかかわらず、交渉が去年9月の出発点よりも悪い状況に至った理由を以下では考えてみたいと思います。 ジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題研究大学院(SAIS)のライシャワー東アジア研究所の所長をされている、ケント・カルダーという方のことはあなたもご存じかと思います。いわゆるジャパン・ハンドラーズの1人で、過去にクリントン政権末期に大使館に勤務したこともある人で、奥さんは日本人です。 このカルダー氏が『米軍再編の政治学』(日本経済新聞社)と言う本を書いております。この本では日本で行われている基地政治を「補償型政治」( compens