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ブックマーク / agora-web.jp (5)

  • JALは本当に必要か - 池田信夫

    JAL(日航空)の再建問題をめぐって、海外の航空会社との提携の話が棚上げになり、経営危機説が再燃している。前原国土交通相は「政府が支援する」と明言したが、JALは資金繰りが行き詰まっており、法的整理をしないと再建は困難だという意見も多い。 JALの経営不安は、今に始まったことではない。派閥抗争が続いて「お家騒動」が繰り返され、政府もJALを地方空港に無理やり就航させてきたので、国内路線の9割は赤字だという。世界の航空会社のベスト10ランキングを見ても、JALもANA(全日空)も入っていない。世界の航空業界の競争は激しく、大手が倒産することも珍しくない。JALのような中途半端なサイズの企業が生き残ることはむずかしいというのが専門家の見方だ。 前原氏は、JALが破綻したりANAと合併したりして国内の大手航空会社が1社だけになると「独禁法違反になる」というが、それを避ける政策はある。いま世界の

    JALは本当に必要か - 池田信夫
    ita-wasa
    ita-wasa 2009/10/07
    前原氏は「航空産業は成長産業だから、政府が育成する必要がある」というが、これはおかしい。たしかに航空会社にとっては外資の参入は脅威だろうが、乗客にとっては運賃が安くなるのは歓迎だ。たとえばJALの往復運賃
  • ノマドの反乱 - 池田信夫

    一昨日の記事に堀江貴文氏からコメントをもらいました。インフルエンザをめぐる過剰反応にうんざりしているのは、みんな同じのようですね。ただ私は、彼が考えるほどこの問題は宿命的ではないと思います。 「日人が極端にリスクをきらうのは農耕民族だからだ」といった説明がよくありますが、これは歴史的にはおかしい。網野善彦が明らかにしたように、「百姓」は農民のことではなく、漁民や商人や職人などを含む雑多な民衆のことです。彼の『無縁・公界・楽』にも書かれているように、「無縁」というのは農村のタコツボ的共同体から自由になることで、こうしたノマド(移動民)が農村を横断する公共的な空間(公界)を創造しました。公界は聖なる空間で、ここから神話や芸能が生まれたのです。農村も自給自足の共同体ではなく、縄文時代から地域間の交易があったことがわかっています。 しかし農村の外からやってくるノマドは忘れられ、古来から農民が日

    ノマドの反乱 - 池田信夫
    ita-wasa
    ita-wasa 2009/05/23
    つまり日本人の農民的な行動様式や農本主義イデオロギーは民族的伝統ではなく、明治以降、天皇制国家を統合する過程で教育によってつくられたのではないか、というのが網野の推測です。それが正しいのかどうかは今後
  • マルクスとブローデル - 池田信夫

    主義の質を鞘取りに求めるブローデルの思想は、明らかにマルクスの剰余価値の概念を継承するものです。『資論』の分析対象が資主義ではなく市民社会だという話は、私の学生時代に盛り上がったのですが、そこでは逆に不等価交換としての資主義(資家的生産様式)が軽視されがちでした。 『資論』の主要なテーマは、市民社会そのものではなく、ほんらい自由・平等な市民社会からなぜ不平等な資主義(資家的生産様式)が立ち上がってくるのか、という問題です。こう書くとネガティブに見えますが、これはすべての利潤が消滅する市場の中でいかにして付加価値を生み出すか、というイノベーションの問題でもあります。 マルクスはこれを「貨幣の資への転化」として説明しました。そのコアにある論理は、労働力の商品化です。資家は労働力の価値に等しい賃金を労働者に払って、その労働の生産物を売る。したがって労働によって創造される価

    マルクスとブローデル - 池田信夫
    ita-wasa
    ita-wasa 2009/03/19
    市場が同化のメカニズムだとすれば、資本主義は差異化のメカニズムであり、経済のエンジンは後者です。
  • 資本主義は「赤の女王」である

    ルイス・キャロルの『鏡の国のアリス』に、赤の女王というキャラクターが出てきます。この世界では、すべてがあべこべで、アリスが女王と一緒に走ってもまわりの風景は変わりません。アリスが驚いて「まあ、まるでずっとこの木の下にいたみたいだわ! なにもかももとのまま!」というと、女王はこう答えます。「ここでは同じ場所にとどまるだけで、もう必死で走らなきゃいけないんだよ。そしてどっかよそに行くつもりなら、せめてその倍の速さで走らないとね!」 このメタファーは有名で、生物学にも「赤の女王仮説」というのがありますが、ビジネスにも通じます。資主義は、つねに新しいことを続けていないと競争に敗れる、赤の女王の世界なのです。これは実は、新古典派経済学が想定している市場経済とはまったく別の原理です。市場経済は古典力学的な均衡に向かう熱的な孤立系で、均衡状態では利潤はゼロになります。しかし利潤がゼロになったら、資

    資本主義は「赤の女王」である
    ita-wasa
    ita-wasa 2009/03/16
    資本主義と市場経済の矛盾を最初に意識したのは、マルクスでしょう。『資本論』は、等価交換の市場経済(市民社会)から不等価交換の資本主義(資本家的生産様式)がいかにして生まれるかを分析した本です。その道具
  • 中川昭一前財務大臣の「奇行」- 松本徹三

    中川昭一前財務大臣の外遊先での「奇行」について、まことしやかなブラックジョークが流れています。今回の酩酊記者会見もバチカン宮殿での行動も、実は、「日経済に対する信用を落として、独歩高を続ける円レートを正常化し、壊滅的な状況にある輸出産業をいささかなりとも救いたい」と考えた、財務省高官が仕組んだものだというのです。 勿論、ジョークの域を出ない話ですが、「何故、こんなに大事な局面で、そんなに酒を飲まなければならなかったのか?」「何故、お付きの人たちは、『大臣は体調不良』として、記者会見に代理を立てなかったのか?」「お付きの人達は、何故『バチカン見学の中止』を大臣に進言しなかったのか? 或いは、現場では密着して歩き、抱きかかえてでも『奇行』を止めなかったのか?」等々、疑問が噴出する中では、「もしかしたら、当にそうだったのかも…」と考える向きも、実はかなりいるようなのです。 もともとのブラック

    中川昭一前財務大臣の「奇行」- 松本徹三
    ita-wasa
    ita-wasa 2009/02/27
    北欧諸国は人口数百万人の小国で、労組の組織率が80〜100%と非常に高く、それが労働移動の仲介機関になっています。それを日本に輸入できるかどうかは疑わしいという留保はありますが、こうした国々の相対的な効率が、1990年代以降のグローバル化の中で上がったことは重要です。東欧からの移民が大量に流入した欧州では、労働力を単純労働から熟練労働に移動する必要に迫られました。北欧型の手厚い労働者保護が、結果的には柔軟な労働移動を可能にして、グローバル化への対応を容易にしたといわれています。
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