小倉氏のブログは、あいかわらずネタの宝庫なので、枕に使わせてもらう。きのうの記事では、こう書く:マルクスは資本主義の研究者としては一流だったので,資本主義社会を分析するにあたっては,マルクスが開発した諸概念を用いることは有益ですから(そもそも"Capitalism"(資本主義)自体,マルクスの造語ですし。),当然のことなのですが。これはもちろん間違いである。マルクスのテキストに資本主義(Kapitalismus) という言葉は一度も出てこない。これを初めて使ったのはゾンバルトである(Wikipediaにも書いてある)。これは経済史の常識であり、こんないい加減な知識で、わかりもしない「階級闘争」を語るのはやめてほしいものだ。 よく「資本主義」と「市場経済」を同じ意味に使う人がいるが、両者は別の概念である。ブローデルもいうように、資本主義の核にあるのは不等価交換によって利潤を追求するシステム