妊娠を望む人向けの「妊活本」が数多く出版されている。その中で度々見るのが、「冷え」に関する記事だ。冷えを妊娠の大敵とし、末端の冷えはもちろんのこと、とにかく「子宮を冷やすな! 」とされていることが多い。果たして本当に冷えは不妊の原因となるのだろうか。 冷えと不妊は無関係 産婦人科医で性科学者の宋美玄医師は、「冷えと不妊は全く関係がありません」と言い切る。「そもそも、子宮はそう簡単に冷えないんですよ」とも続ける。 「子宮は骨盤の中にあり、太い血管に囲まれた身体の中で最も温かい場所にある器官です。手足やおなかが少しくらい冷えても、全く影響を受けません。『妊娠したいならまず腹巻を』なんて記事も見かけますが、根拠がなさ過ぎる。サーモグラフィーで体温を解析した上で妊娠率を比較したデータなんてありませんから」と指摘する。 さらに、生姜を食べて体の中から温めることで妊娠力を高める、という話もよく耳にする