この現象は、1975年に安藤恒也らによる理論からの示唆があり、1980年、クラウス・フォン・クリッツィングらによって初めて実験的に観測された。RK = h/e2 をフォン・クリッツィング定数という。プランク定数(h)と電気素量(e)は2019年5月以降は定義定数であるのでフォン・クリッツィング定数には不確かさがなく[注釈 1]、15桁の数値は25812.8074593045... Ωである[2]。2018年CODATA推奨値は、25812.80745... Ω と10桁で表示している[3]。 この整数量子ホール効果(量子化ホール抵抗を用いる)は、電気抵抗標準として決めたり、微細構造定数の決定に使われたりする。 整数量子ホール効果はトポロジカル物性への数理物理的なアプローチにおいても基本的な対象であり、e2/h の偶数倍だけでなく奇数倍が許されるのは、電子が数学的にはスピノルという、360