この資料から2つのことを読み取ることができます。1つは、ムスリムであれば一切の例外なく情報収集の対象とされたことです。警察がこれほどあからさまに1つの宗教を名指しして捜査の対象としたことは、地下鉄サリン事件を引き起こしたオウム真理教を除き過去に例がありません。しかも、その対象は、世界に16億人いると言われるムスリムです。捜査対象の分母がこれほど大規模にわたることも、歴史上はじめてのことだと思われます。 もう1つは、OIC加盟国出身者であれば、ムスリムでなくとも捜査対象としていたということです。OIC加盟国の中には、ウガンダやスリナムなど国民に占めるムスリムの比率が10%程度にとどまる国もあります。警察は、すべてのムスリムはテロに関係している可能性があることを理由としてすべてのムスリムを捜査対象としていますが、ある国の国民であれば、ムスリムかどうかすら曖昧なまま捜査の網にかけるという、粗っぽ