わたしはバス停がものすごく大好きだ。その気持ちは誰にも負けないと自負している。 バス停そのものも好きだし、そこに並ぶ人たちを眺めているだけですごく気分がよくなる。仕事の合間に会社の窓から見えるバス停を見ているとそれだけで疲れがいやされる気がする。唯一、バス停をながめていて嫌だと感じるのはバスが来て並んでいる人たちがいなくなってしまう瞬間。そんな瞬間を見てしまった時はなんだかひどく嫌な気分になって、がっくりと肩を落としながら席に戻ることになる。 当たり前だが、みんなバスに乗りたいからバス停にいるのであってバス停にいるのが好きなわけではないのだ。けど、しょうがないとは思っていてもやはり寂しい。バスに乗らずにただひたすらバス停に並ぶだけの人がいてもいいんじゃないかと思う。 なぜわたしがこれほどバス停が好きなのか。改めて考えてみると、わたしにとってむかしからバスがもっとも身近な乗り物だったからだろ