子育て中にがんと診断される人は、年間、推計5万6000人に上り、その子どもたちは9万人近くになるとする調査結果を、国立がん研究センターのグループがまとめました。出産の高齢化が進むなか、子育て中のがん患者の実態が分かったのは初めてで、研究グループは、心理面で子どもを支える態勢作りなどが必要だとしています。 子育て中にがんと診断されると、子どもに病気をどう伝えるのかや心理面で子どもをどう支えるのかなどさまざまな課題に直面することが予想されます。出産の高齢化が進むなか、こうしたケースは今後も増えるとみられていて、国立がん研究センターの井上泉特任研究員は「がん患者の子どもの存在は、社会の目がほとんど届かないところにあると思う。社会的なレベルで支援態勢作りを急ぐ必要があると思う」と話しています。