死にたくなったらというのはちょっと大げさなのだが、二つの意味がある。生きる実感が得られないときに読んでもいいかもしれないし、行き詰まった状態を抜け出すために一度昔の自分を消し去るためにも有効かもしれないと思うのだ。 ウィリアム・ジェイムズ入門―賢く生きる哲学を読んだ。この本を読むまで「ウィリアム・ジェイムズ」という哲学者を知らなかったし、彼の本も読んでみたのだが、それほどピンとこなかった。にも関わらず、あえてご紹介しようと思う。 ウィリアム・ジェームズは、当初家族の期待に応えるべく医学を学ぶ。M.D.を取得する。彼はその過程で「魂の病」にかかっていた。どうやら自分で納得して医者になろうと思ったわけではなかったようなのだ。さまざまな身体症状が出た後、神経衰弱になり、鬱を経て、最後に自殺を図った。結局、医者にはならず、ハーバードで心理学を教えながら、最終的に哲学者として知られるようになった。