突然ではあるが、医者が殴り書きした診断書を判読する仕事に従事していると想像してみてもらいたい。漢字にカタカナ、英語にドイツ語、さらに数々の専門用語が入り交じる。一般に診断書の手書き文字は「ミミズ文字」と呼ばれるそうで、医療についての知識がある人でも読むのが難しいという。 さて、読めない文字はどれぐらいあるだろうか。診断書1枚に1文字ぐらいか、あるいは1時間の作業につき1文字程度か。慣れてくれば1日に数文字ほどまで減らせるか。 この作業を、「読めない文字は4カ月に1文字程度」という精度でこなす26人の“達人”たちがいる。26人は、1カ月に1万7000枚の診断書を読む。そのうち、読めない文字は7文字以下だ。これは26人の合計であり、1人当たりで見ると読めない字は4カ月に1字程度という計算になる。 実は26人は全員が中国人だ。大連市のBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)拠点で働く人たち
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