DXを推進する人材が求められるようになってきた背景とは 本間氏はまず「ITを推進する人材」について次のように話した。 「当社はおよそ10年前、野村総合研究所(NRI)と共同で、今後のITを推進する人材像として『スーツ・ギーク人材』が求められるようになると提言し、これまで人材育成に取り組んできた」 ビジネスパーソンが着るスーツから思い浮かぶように、ここでいうスーツは「ビジネスのプロフェッシナル」を指す。ギーク(geek)はもともと英語で「オタク」を意味する俗語だが、ここでは「技術のプロフェッショナル」の意味で、「スーツ・ギーク人材」はビジネスと技術の双方が分かる人材を指す(図1)。 その上で、同氏は「この10年でITの役割や位置付けが大きく変わってきた」として、次のように説明した。 「従来のITは既存の業務を合理化、効率化するための手段だった。これに対し、最近のITは既存業務のさらなる効率化