梅雨時期の豪雨災害が毎年のように全国各地で発生しています。昨年の「令和2年7月豪雨」では、熊本県の球磨川流域で50名もの尊い命が奪われ、6000棟を超える家屋が被災しました。 堤防をはるかに超える濁流が川と集落を一体にして激しく流れ込み、多くの家屋を流失させたのです。被災者の多くがその破壊力は過去の洪水のものと別次元だと証言、「まるで津波のようだった」といいます。 NHKサイエンスZERO取材班は専門家とともに、こうした濁流を“津波洪水”と名付け、その脅威を徹底検証しました。これは決して一部の地域だけの話ではなく、平野や都市部など全国各地で起こりうること。新しくなったハザードマップの重要性も含め、今後、さらに進むと考えられる豪雨激甚化時代の新たなリスクと対策を考えます。 “津波洪水”の破壊力:球磨川からの報告 昨年の「令和2年7月豪雨」では、被害の大きかった熊本県南部でこれまでの観測記録を