近ごろ、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)への解散命令問題を巡って、「政治と宗教」という言葉を聞かない日はない。これは、正確には「政治と、宗教法人格を持つ(人権を侵害し、公共の福祉に反する)破壊的カルト」の話だろう。 カルトには、「熱狂的に信じる」という意味がある。熱狂的な反社会集団を規制するのは、社会の維持にとって当然だと思う。ただし、宗教一般にも熱狂はつきものだ。つまり、カルト性をハナから欠く宗教もない。 問題を根本から解くには、社会を構成する個々人が、宗教についてしっかりと考察すべきなのである。それは、民主主義社会に本来は必須であるべき、極めて政治的な課題といえる。 不透明な解散命令要件の解釈変更 先に、解散命令自体について。旧統一教会を解散させるにせよ、違う結論となるにせよ、審議のプロセスを透明にしていく姿勢が重要である。 岸田文雄首相は、解散命令を請求する要件に「民法の不法行為」
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