漫画家、青山剛昌さん(49)の代表作「名探偵コナン」は、雑誌「週刊少年サンデー」で18年にわたり連載中の人気ミステリーです。ところが、企画が持ち上がった当初は「ミステリーは乗り気でなかった」そうです。創作意欲に火をつけたのは、小学生時代に出合った一冊の本でした。(村島有紀)ホームズがきっかけ 「ミステリーをお願いできませんか」 漫画家生活8年目に入った平成5年、「週刊少年サンデー」編集部から新しい企画の依頼があった。 ドキリとした。「大変じゃないか、と。トリックを考えるのも設定も」 昭和61年、同誌掲載の「ちょっとまってて」でデビュー。平成5年に「YAIBA(やいば)」で小学館漫画賞(児童部門)を受賞した期待の漫画家だった。ライバル誌では、高校生探偵が活躍する「金田一少年の事件簿」が人気を博し、少年漫画にミステリーのジャンルが確立されつつあった時期だ。 構想を練っていると、子供のころ好き