ゲーム芸術説慎重論 ゲームは芸術である、と、さらりと言ってしまう人がいる。そこには、ゲームはすばらしいものなのだと結局言いたい「力学」として働かせたい気持ちがあるのは、それは十分分かる。筆者とて、こういうページで書いている以上、ゲームってのはいいもんだぜ、面白いぜ、悪いもんじゃないぜ、ということは本当に思っている。だがしかし、例えば、ではどのような点でゲームは芸術と言えるかと問うと、なんだか判然としない答えが返ってくる場面を、筆者は何度も経験している。結局、ゲームは凄い、ゲームは正当に評価されるべき作品である、それが言いたいだけなんである。芸術と言えるということがどういうことなのかが言えないのに、そんな、言ってしまったもん勝ちのような議論でいいのか。「芸術」と言えば価値が上がる。それを暗に知っているからこその発言。そこには、なぜ芸術と言えるのか、そもそも芸術とは何なのかという考察もない