食の雑誌「Dancyu」の2015年2月号、3月号は、2カ月続けての日本酒特集だった。 2月号の特集の中心は、「生酛(きもと)」だ。かなりマニアックな話なのだが、日本酒造りの最初の工程、すなわち酵母を含む酒母造りの段階で、江戸期以来の伝統的な手法である「生酛造り」を選ぶ蔵と酒が増えてきている。この手法と「生酛造り」で造られた日本酒についてが、特集記事になっていたのだ(ちなみに、「生酛」以外には、「速醸」と「山廃」という手法がある)。 純米か、それ以外か。あるいは大吟醸、吟醸、本醸造のどれか。従来からの区分けに加えて、造りの違いによる日本酒のバラエティーはさらに豊かさを増してきているということだろう。 「生酛」が伝統的手法だからだろうか、この2月号は「日本酒クラシック」と題されていた。 一方、3月号は「日本酒ロックス」と題して、新世代の日本酒について。 特集の中で、目立つ位置を占めていたのは