スケールというのは、楽曲の中の全部、もしくは一部分で使われる主要な音を8度内に段階的に並べたものである。定義としてはこんなものだろう。ということは音楽が先にあってその素材としてスケールがあるということだ。でも実際の作曲というのは12音から選ぶというのと音階素材(主に7音音階)を頭にいれて音を選択するというのとをうまく混ぜ合わせてやるものだ。そしてこれがジャズインプロヴィゼーションとなると、ほとんどが音階素材から音を選んで演奏することになる。つまり音楽を逆走しているわけだ。で、スケールというのはメロディーはもちろんハーモニーの素材としても威力を発揮する。場面によっては、複数のスケールが候補に挙がる場合がある。主にドミナント7Thのところだ。プレーヤーがイメージするサウンドに近づけるのであれば、どれでもよい。だがここでジャズインプロヴィゼーションという音楽の特異性が出てくる。即興的によい音楽を