この曲を特徴づけているのは、まず3,4小節目のⅢ7のコードとそのメロディーの短6度音だろう。この音は増5度と言ったほうが正確か?そして5,6小節目はその音程関係を維持してⅥ7へ4度進行する。最初の8小節、メロディーはトナリティーに沿った7音の中で構成されている。が、内声にはすでに複数の変化音が登場する。モダンジャズの素材としての良い条件が整っている。トナリティーの長3度上のコードは本来はドミナンテの役割を果たす。Ⅱ-Ⅴ-Ⅲ-Ⅵと進む中でⅢをトニックとして扱うのは、3度を低音にしたいわばⅠの転回形ということだ。そしてそれを膨らましてⅢm7をトニックとして扱うのはただ音の構成つまり似たような音を含んでいるからというだけだ。もちろん3度を下にしたⅠの和音は十分トニックとして認識できる。でも緩やかなドミナンテとして使われたりもしてきた。代わりになるコード・・・代理コードの定義はあいまいだ。これは楽