複数の声(声部)が同時に進行するいわゆる多声部音楽がいつ頃から始まったのか?明確な時期はもちろん特定はできない。でも12音の完全な平均律が整備されるまでがすごく長くて、12音が理論上も確定してからの音楽の変化、発展のスピードがすさまじいことは確かだ。いっぱいある声(声部)のうち一番高い音が旋律、メロディーだ。もちろん旋律も多声部の中のひとつではあるが、音楽を印象づけるもっとも重要な声部であることも確かだ。これがホモフォニックな考え方であるともいえる。「旋律は流れる水で和声はその流れの中にあるゴツゴツした岩である。」ヒンデミットのこの考えに立てばメロディーに対する綿密な工夫は避けては通れない。メロディーには一定の「区切り」が絶対必要でそれをモティーフと呼ぶ。で、それを印象づけるには人間の感性に対するもっとも簡単な手段として「繰り返し」がある。この「When I Fall In Love」も明