米アップルは3月21日(現地時間)、新製品発表会を開催しました(写真1)。今回の発表会の中心となっていたのは、「iPhone」と「iPad」という同社の主軸商品です。しかし、今までの「完全新モデル発表会」とは、少し趣が異なっています。現在のアップルの「顔」とも言えるiPhoneとiPadの新製品からは、同社の今後の方針を見定めるための戦略がはっきり見えてきます。 今回アップルがどんな発想で新製品に臨んだのか、分析してみましょう。(ライター・西田宗千佳) プライバシー・エコ・健康、「スマホの持つ社会的責任」とは 今回、アップルは発表会の前半を「社会的な責任への対処」の説明に充てた、と感じています。 アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)は、まず「プライバシー」の問題から会を始めました。現在アップルは、米司法省との間で「iPhoneのロックを解除するソフトウェアの提供」について衝突し