この時代を通過してきた人もそうでない人も、この写真が何を示しているかわかるはずです。これは1968年、4月にマーティン・ルーサー・キング・Jr.牧師、その2か月後の6月にロバート・ケネディが暗殺された年に撮られた写真です。ベトナム戦争に対する反戦運動が高まる中、多くの都市で学生運動や反戦運動が起こると同時に、アメリカ国内のいたるところで人種差別が引き金となった暴動や警察との衝突で多くの人が命を落としました。アメリカ、そして世界が揺れに揺れた年です。 その真っただ中に行われたのが、1968年のメキシコシティオリンピックでした。 世界が大きな変動の中にあったその年のサマーオリンピックで、1968年10月17日夕刻、メダル授与のために表彰台に上がった二人のアメリカ人が史上に残るある行為を行いました。 男子200メートル競争を世界記録で優勝したトミー・スミスと3位に輝いたジョン・カーロスが、アメリ
「拙速は巧遅に勝る」とか「巧遅は拙速に如かず」という言葉がありますな。 やたら「巧遅より拙速」とか言う人いますよね。まあ、僕にもそういう時期がありましたよ(謎の上から目線)。 たまにインターネットにも『中国の兵法書「孫子」に「拙速は巧遅に勝る」という格言がある』とか言い切ったビジネス系のテキストが置いてあったりしますけど諺として使うならまだしも孫子を「考えるより先に動け」みたいな意味で使うのは誤用ですよ。 そもそも、孫子には「如かず」とか「勝る」とか書かれていないです(あ、下の引用は読み飛ばしてもOKですよ)。 孫子曰く、およそ兵を用うるの法は、馳車 千駟、革車 千乗、帯甲 十万、千里にして糧をおくるときは、すなわち内外の費、賓客の用、膠漆の材、車甲の奉、日に千金を費して、しかるのちに十万の師挙がる。 その戦いを用なうや久しければすなわち兵を鈍らせ鋭を挫く。城を攻むればすなわち力屈き、久し
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