なるほどハッケン 九州・山口 「隠れ」ならぬ「隠しキリシタン」の里があったとしたら。江戸時代に弾圧から「隠れた」のではなく藩ぐるみで「隠した」――。謎めいたキリシタン遺物が多い大分県竹田市は、観光客を呼び込もうとそんな見立てをアピールしている。 江戸時代のキリシタンは、1612年の禁教令後も、隠れて信仰をつらぬいた長崎・平戸や熊本・天草が有名だ。 大分も実はキリシタンと縁深い。豊後(大分)の大名だった大友宗麟は、宣教師フランシスコ・ザビエルと親交もあったキリシタン大名だった。大分でキリシタン文化をしのばせる遺物が目立つのが、竹田市だ。 その一つが、市中心部近くの「キリシタン洞窟礼拝堂」(県指定史跡)。五角形の入り口の奥に祭壇のような彫り込みがある。この場所は、地元岡藩の重臣、古田重治の屋敷のすぐ裏手となる。 日本のキリスト教史を欧州の学者がまとめた「日本切支丹(キリシタン)宗門史」は、禁教