卒論を書くゼミ生に先行研究を探させていて、その関係で文献指導をする機会がありました。学生は、初めはなかなか「斬新」な本――要するに、入門書としてはお薦めしないクセの強い文献――を選んできます。これは初学者なので無理もないことですが、私が驚いたのは、自分自身が「なぜそれが斬新な選書なのか」を説明するのにけっこう頭をひねったことです。 なお、その本が「斬新」であることは前提です。私以外にも多くの研究者が直感的に「クセが強い」と感じる本だと思ってください。研究者はみな無意識的にその手の本を避けられるけれど、そう言えばなぜ避けるべきなのかは、いまいち言語化されていない。なんとなく「これは地雷だろう・・・」とわかる文献です。 当然ながら、「地雷かそうじゃないか」という感覚は多くの文献を読んでいく中で徐々に身についていくものなので、初学者がその違いがわからなくても無理はありません。 しかし、どうやった
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