20年ほど前,あることを契機に私の研究は思いもかけない,だが結果的には実りの多い転換を果たした。当時私は幼児の記憶を研究しており,2歳半と3歳の子どもを対象に新しい実験をしようとしていた。この実験のために,私は研究室の中に部屋の縮小模型を作った。研究室は少々粗末ではあったがよくある居間のようなつくりで,布張りのソファや肘掛け椅子,戸棚などがあった。この部屋になるべく似せた模型を作ったのだ。家具の形も材質も同じで,カバーなども同じ布を使い,配置も同じにした。 実験では,私たちが「小さなスヌーピー」と呼ぶプラスチックの犬のミニチュアを「小さなスヌーピーの部屋」と呼ぶ模型の部屋に隠すところを子どもに見せる。それから「大きなスヌーピーが,大きな部屋の同じところに隠れているよ」と言って,これを探すように仕向ける。小さな部屋についての記憶を,大きな部屋で人形を探す手がかりにできるかどうかを調べようとし
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く