クラシック音楽からロック音楽、コンサートから駅メロまで、音楽は日常のなかにあふれている。しかし、そもそも人はなぜ「音楽」をするのだろうか? この根本的な問いに文化人類学の立場から研究しているのは、東京大学・総合文化研究科・博士課程1年の土田まどか氏だ。土田氏は、音のない手話の世界における「音楽」を探ることがこの問いを解き明かすヒントになると考え、インドネシアのバリ島にある「ろう者の村」でフィールドワークを行う予定である。本記事では、現在進行中の研究について詳細を伺った。 ——はじめに、なぜ音楽について研究しようと思ったのか教えてください。 私は学部まで東京藝術大学で音楽学を勉強していたのですが、自分の根本的な問いとして「人はなぜ『音楽』をするのか」という疑問があります。そもそも音楽がいろいろなかたちで、世界中のどこにでも存在することを不思議に思っていました。 音楽で食欲が満たされたり、寒さ
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