前回はクリヤマコトとともにリズム解釈について論理的解釈を加えた菊地成孔のポリリズム講義。分音符と連符の考え方の成り立ちや違い,4分音符と3連符を合わせることでリズムの揺らぎを生みだしていくことなどを大胆に,しかし非常にわかりやすく解説した。今回はリズムの揺らぎが,現在進行形のジャズにどのように影響を与え,活用されているのか。その背景なども含めた講義を行なった。あくまでスマートでカジュアルに解説される菊地成孔の興味深いレクチャーの模様をレポートする。 講義は前回の振り返りから始まった。菊地曰く,「現在のポップ・ミュージックは北米を中心に発展しているけれども,それはいろんな地域からきた有色人種の音楽のリズムを取り入れて発展してきた。ジャズなどの黒人音楽は人力による揺らぎがあってグルーヴなどと呼ばれ,それが気持ちいいということになった。一方で機械を使ったテクノは,ソウルやファンクなどの音楽とは
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