『ラズ語トルコ語辞典』は2072ページ、重さ3.4キロの大冊。出版まで40年以上かかったのは、ただ研究や執筆に時間を要したからではないという。

YOASOBIのAyase、米津玄師、Ado-。歌声合成ソフト、ボーカロイドで楽曲を作ったり、歌ったりしていたアーティストが音楽シーンの主流に躍り出てきた。彼らを育んだのが、楽曲の受け手と送り手がインターネット上で共感し合う「ボカロ文化」。ボーカロイドの一つ「初音ミク」を開発したクリプトン・フューチャー・メディア社(札幌市)の伊藤博之社長(59)に、ボカロ文化からビッグアーティストが生まれた背景を聞いた。 (川上義則) 伊藤さんは、ボーカロイドを「歌声を奏でる楽器」と位置づけ、1970年前後のフォークギターに重ねる。「ギターをかき鳴らし、若者の気持ちを歌ったフォークソングのムーブメントから吉田拓郎や泉谷しげるらの才能が開花した」。ボカロ文化で育ったアーティストの活躍は、この現象に似ているという。 2007年8月に初音ミクのソフトが登場、歌えなくてもコンピューターで楽曲を完成できるようになる
政府が首都圏の1都3県と北海道の緊急事態宣言を継続すると決めた5月21日。首相の安倍晋三(65)はこの5都道県についても、4日後に解除の可否を判断する考えを表明した。 政府専門家会議のメンバーは安倍の発言に驚いた。政府から「1週間後の28日に判断する」と伝えられていたからだ。毎日のように政権幹部らと意見交換していた副座長の尾身茂(71)でさえ、判断の前倒しを知ったのは直前だった。 尾身は、経済再生担当相の西村康稔(57)に「前倒しするなら国民に説明する必要がある」と強い懸念を伝える。だが、政府側の意思は固かった。「(新規感染者の少なさは)いい数字が出ている。経済を考慮すれば一日でも早く解除したほうがいい」。政府高官は22日にこう話した。
学術書専門の老舗出版社で6月30日に解散した「創文社」(東京都千代田区)が世に送り出してきた全書籍について、大手出版社の講談社(文京区)が刊行を引き継ぐことが決まった。神学者トマス・アクィナスの「神学大全」(全45巻)などの良書が絶版を免れる。一つの出版社の書籍を丸ごと別の出版社が引き継ぐのは業界では異例。良書を残したい、という両社の思いが結実した。(小佐野慧太) 講談社は創文社の全書籍1500点以上のうち、権利者から同意を得られた書籍について、読者から注文があれば、そのつど製本するプリント・オンデマンド(POD)出版や、電子書籍の形で届ける。「創文社POD叢書(そうしょ)(仮称)」シリーズとして刊行する。
東京・国立能楽堂が六月から募集しているプロ能楽師養成のための研修生制度に、四カ月半経ても応募者がいない。一九八四年の制度開始以来、多くのプロを輩出し、六百年以上続く能楽の継承に重要な役目を負ってきたが、異常事態に担当者は頭を抱えている。 (ライター・神野栄子) 研修生は、能で主役(シテ)の相手を務める「ワキ方」、笛や鼓などの「囃子(はやし)方」、物語の転換に重要な役回りをして、狂言の役者としても欠かせない「狂言方」の三役を若干名ずつ募集している。経験不問、原則二十三歳以下の男女が対象。募集は原則三年おき、研修期間は六年。プロ能楽師に指導を受ける。 同能楽堂によると、八四年度の第一期生には六十人の応募があり高倍率の選考となったが、次第に応募者が減少。現在研修中の二〇一四年度からの九期生は七人、一七年度からの十期生は四人の応募しかなかった。研修を終えた八期生までの計三十六人中、二十七人がプロと
刑事罰は一万円以上の「罰金」を念頭に置き、条例に明記する。在日コリアンに対する排外的と疑われるデモなどが行われた場合、市が検察に通告し、刑事訴訟法に基づき、ヘイトに該当するかどうかを裁判所が判断する手続きが想定される。 刑事罰を定めることに市議会で目立った反対の声は出ていないが、市は刑事罰を盛り込むことから、全会派一致での条例案可決を目指す。福田市長は十九日の市議会代表質問で「表現の自由に留意しつつ、条例の実効性の確保を図る」と答弁。本紙の取材に「ヘイトが行われる恐れが高い状況が続いている」と罰則の必要性を強調した。
衆参両院の予算委員会が開かれない状況が続いている。衆院では最後に開催されてから約三カ月、参院では約二カ月が経過した。野党は閣僚らの失言や日米貿易交渉を巡り安倍晋三首相との論戦を求めている。与党は夏の参院選を前に野党に見せ場を与えることを嫌い、開催に応じていない。 (木谷孝洋) 立憲民主党の枝野幸男代表は五月三十一日の記者会見で、予算委での審議に消極的な与党について「議論をすれば選挙に不利になると思っているのは明々白々だ」と批判した。与党が党首討論の開催を調整する六月十九日には、予算委で首相出席の集中審議をすべきだと主張した。 予算委が最後に開かれたのは衆院が三月一日、参院が三月二十七日。その後、閣僚らの失言による辞任や更迭が相次ぎ、十月に予定する消費税増税の延期論も浮上した。日米貿易交渉や北朝鮮問題を巡っても、トランプ米大統領や首相の新たな発言が続いた。いずれも国会論戦のテーマになり得る重
令和への改元を控え、「平成経済」を知るための重要な指標の一つである「賃金伸び率」の検証が、今年一月に発覚した政府の統計不正のためにできなくなっている。政府が毎月勤労統計の集計で不正を行っていた期間の資料を廃棄したことで、八年分の賃金が分からなくなったからだ。公表された資料には空欄が並ぶという、異様な状況となっている。 (渥美龍太) ルールでは全数調査をしないといけない東京都分の大規模事業所を、厚生労働省が二〇〇四年に勝手に抽出調査に切り替える不正を始めたため、以降の調査結果が実態より低く出るずれが生じていた。これにより、延べ二千万人超が雇用保険などを過少に給付されていたことが分かった。 問題発覚後、厚労省は一二年以降の結果を再集計して本来の数値を再現したが「〇四~一一年分は調査票などの資料を廃棄・紛失していて再集計ができない」(厚労省の賃金統計担当者)ため、公表資料を空欄とした。この空欄部
「働き方」関連法案の国会審議で、政府が創設を目指す「高度プロフェッショナル制度(高プロ、残業代ゼロ制度)」の問題点が明らかになってきた。高収入の一部専門職を対象に労働時間規制を撤廃する制度に対し、野党は「長時間労働や過労死を助長する」と反発。与党は来週にも法案を衆院通過させる構えだが、野党は高プロを導入する規定の削除を求めている。 (木谷孝洋) 国民民主党の山井和則氏は十六日の衆院厚生労働委員会で、高プロが適用された人が法定労働時間(一日八時間)以外に月二百時間働いた場合、法律に反するかどうかをただした。加藤勝信厚労相は「直ちに違法ということではない」と説明、高プロでは残業に相当する時間が二百時間を超えても合法だと認めた。 野党が残業時間にこだわるのは、今回の関連法案で罰則付きの上限規制が初めて導入されるからだ。法律が施行されれば、一般の労働者は月百時間未満しか残業できなくなり、違反した場
環太平洋連携協定(TPP)の交渉を巡り、政府が関係国との閣僚間協議の議事録を公文書として作成していないと説明していることに対し、専門家から「法律に違反し、公文書の適正な作成や管理を怠っている」との指摘が出ている。政府が内部文書を「公文書ではない」と言い張れば、情報公開の対象外にできることになりかねないからだ。 (中根政人) TPPの承認案と関連法案の国会審議では、民進党が甘利明前TPP担当相とフロマン米通商代表の交渉の内容を文書として公開するよう政府に求めた。これに対し、政府側は三月末、会談内容は一部の幹部職員のみで情報を共有し、公文書に当たる議事録は作成していないと回答した。 一方、政府は交渉の前後に論点を整理した文書は存在すると認めた。四月五日に衆院TPP特別委員会に論点整理の文書を提示したが、表題と日付を除き黒塗りだった。政府側は論点整理の文書は公文書に該当するとしつつ、黒塗りの理由
トップ > Chunichi/Tokyo Bookweb > 書評 > 記事一覧 > 記事 【書評】 夢みる教養 文系女性のための知的生き方史 小平麻衣子 著 Tweet 2016年10月23日 ◆向上心をそぐ抑圧の構造 [評者]川崎賢子=文芸評論家 出版不況といわれてひさしい。ジャーナリズムも一部の文学賞発表時ににぎわいをみせるだけ。人文学の知は、大学再編の標的とされ、文学部の消滅など、いい話はない。 資源の乏しい日本が、教育研究を公共の財産として重視した時代は終わった。OECD(経済協力開発機構)加盟国のなかで、日本は、国内総生産に占める学校教育費の比率、政府総支出における学校教育費ともに低く、私的負担が大きく、給付型奨学金は発達していない。ノーベル賞受賞の大隅良典氏の「役に立つかどうかという観点だけで科学を捉えると、社会をダメにする」というコメントは重い。 実学ですら苦しいのだから
都立中央図書館のCD-ROM閲覧コーナー。パソコンの脇に「旧OSに対応したソフトは再生する機械がありません」と断り書きがある=東京都港区で(中村陽子撮影) 各地の図書館で、CD-ROMなどの電子媒体で保存されている資料の一部が、パソコンのOS(基本ソフト)など、デジタル環境が刷新されていく中で、見られなくなっている。図書館側も問題を認識しているものの対策は難しく、手をこまねいている状態だ。専門家は「電子資料を持つすべての機関に関わる問題。このままだと貴重な記録も消失する」と危惧する。 (中村陽子) 融資の審査などに使う「第11次 業種別審査事典」CD-ROM版、江戸期に編さんされた名所案内「江戸名所図会」のデジタル解説書…。東京都立中央図書館で、CD-ROMの一枚をパソコンのドライブに入れると、目次までは表示されるが、その先はエラーメッセージが表示され、再生できない。 担当者は「見られない
男女の性愛を描いた春画の本格的な展示会が今秋、英国の大英博物館で開かれる。この巡回展が日本でも計画されているが、主要な美術館などから、軒並み受け入れを断られている。春画は近年、芸術性が評価され、女性の鑑賞者も増えている。一方で「わいせつ画」のレッテルを貼られた歴史が長く、公の場での展示には難しい問題を抱えている。 (森本智之) 大英での展示は、葛飾北斎や喜多川歌麿など名だたる浮世絵師の百五十点余を紹介し、春画の起源から現代絵画への影響まで解き明かす。期間は今年十月から来年一月まで。日英交流四百年を記念し、春画だけの展示は同館でも初の試みだ。 「春画は奥深いアート。単純なポルノとは違う」。立命館大特別研究員の石上阿希(あき)さん(33)は話す。数少ない春画研究者の一人として、昨年まで大英の特別学芸員としてロンドンに駐在。出品作品の選定などに当たった。石上さんらによると、欧州では早くから春画の
札幌市の円山動物園で22日、太鼓をたたいて絶滅危惧種のヨウスコウワニの交尾を促す実験があった。水中から顔を出して「ボウ」「ボウ」と鳴き合う前兆行動が確認されたが、交尾には至らなかった。 太鼓の音や振動が交尾の際のワニの鳴き声に似ていることを生かした実験。音が響くとすぐに雌の「スウスウ」が喉を震わせて鳴き始め、雄の「ヨウヨウ」も応じて約10分間、鳴き合った。 実験したのは札幌市の打楽器奏者、茂呂剛伸さん(34)で、昨年に続いて2回目。今回は使用する縄文太鼓などを昨年の2個から5個に増やし、反応を見ながら使い分けるなどの工夫をした。
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