時代が追いついた、後退した、足踏みした……。 うーん、どれもしっくりきそうでこない。 こんなふうに書き出したそのわけはと言えば。 「働かない/働けない」というテーマで、しかも「働かない/働けない 女性・・ (独身女性・・・・)」の視点から書いてほしいという原稿依頼が、運動団体や同人誌からではなく、商業媒体の出版社から届いたからだ。 私は1973年生まれ。就職難であったことから氷河期世代、ロスジェネ世代とも呼ばれるが、それ以前からは団塊Jr.世代とも呼ばれていた(それにしてもこのジュニアという言葉にも女性の存在が感じられない)。この時代の家族形態は核家族が最も多く、結婚している女性の中の専業主婦率も1980年までは増加していた(注1)。それゆえ幼稚園に入ることですらすでに競争だった。私は幼稚園にも落ちたと親から聞かされた。 1980年代。80年代後半はバブルの時代を迎えるが、電電公社や国鉄は