2年前に「媚中派大使」のレッテルを貼られ、駐中国大使を引きずり下ろされた丹羽宇一郎元伊藤忠商事社長。「中国の弱みに石を打て」と副題のついた話題の新著『中国の大問題』を著し、本誌で「脱媚中派宣言」をした。 浮き足立ちすぎです 中国経済は日本に40年ほど遅れて発展しているというのが私の持論です。韓国が日本から20年、そして中国が韓国から20年遅れている。経済の発展段階からいうと、中国は今、日本の1970年代にあたるのではないでしょうか。 高度経済成長を経て、かつて日本が経験した中位安定成長期に入ったとみています。その頃の日本では、労働者の賃金が急上昇しましたが、同様のことが中国でも起きているのです。 中国はこれから、輸出中心の経済から内需中心の経済に移行していくでしょう。いわば「世界の工場」から「世界の市場」へと大きく舵を切っていく。しかも、14億人という、日本とは比較にならないほどの大市場で