兵庫教育大(兵庫県加東市)の庭瀬敬右教授(49)=物性物理学=らの研究グループが、結晶粒を極限まで小さくした「アモルファス(非結晶)ダイヤモンド」を、黒鉛から作ることに成功したと発表した。アモルファスダイヤは通常のダイヤより硬く、ダイヤは結晶が小さいほど硬いとされることから、庭瀬教授は「世界一硬いダイヤの可能性もある」としている。 東大、東工大との共同研究。結晶の大きさは1ナノメートル(ナノは10億分の1)未満で、成果は今年3月発行の米物理学専門誌「フィジカル・レビュー・レターズ」で紹介された。 黒鉛に中性子を照射して構造にダメージを与えた後、秒速1.7キロの速度で金属をぶつけて瞬間的に温度を約3500度まで上昇させた。その後に1000度以下まで急激に冷やすと、極小の結晶が集まったダイヤができた。【大久保昂】