実は、真のデフレスパイラルとはタバコ増税の問題と関連している。 マクロ的には、デフレの問題点は二つ。一つは、日銀がゼロ金利政策を実施しても実質金利がプラスになってしまい、金融緩和政策が取れなくなること、あるいはフレキシビリティが低下すること。もう一つは、真の意味でのデフレスパイラルが起こることだ。そして、真の意味でのデフレスパイラルは、その逆の現象である、タバコ増税などと同じ減少なのである。前者の議論は、日銀に何ができるか、という論点で議論すべきで、次回に議論することとしたい。問題はタバコである。 この論点は、1990年代末にポール・クルッグマンが日本のデフレの問題として指摘したことで、広い意味で言うと、ケインズが言ったことになっている流動性の罠の実体経済版となる。ここで、まどろっこしい言い方になっているのは、ケインズは流動性の罠という言葉を少なくとも著書「一般理論」の中では使っていないか