Σと∫ デザインの違い Σの呪縛を解くシリーズも第5弾。今回のテーマは「Σと∫が現れる風景」です。前回「アルキメデスの挑戦」では、曲線の面積を求めたアルキメデスのアイデアを紹介しました。 放物線の曲線部分を小さい三角形で分割し徐々に埋め尽くしていく方法で、最終的に三角形の面積の合計が無限級数の和として求められるというものです。アルキメデスの求積法は積分法の原風景でした。 紀元前3世紀のアルキメデスから千年以上の時を経て、17世紀に∫がライプニッツ(1646-1716)によってデザインされます。 記号Σと∫の由来はともに合計SumのSです。ギリシャ文字Σはsigma、積分記号∫はSを上下に伸ばした形です。 数の違いが記号の形に表れています。Σの変数は自然数1,2,3、…です。自然数が1ずつ大きく変化する様子は階段をイメージさせます。それがΣの直角部分とピッタリ。 ∫の変数は実数です。実数の特