発売以来各書店やSNS大きな反響を呼び、15万部の大ベストセラーとなった『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』。著者の三宅香帆氏が同書で提起したのは、日本社会における「全身全霊」信仰だった。 本記事では全身全霊でビジネス書を作ってきたが現在は「燃え尽きている」編集者の箕輪厚介氏と三宅氏が対談。2人の対話を通して、仕事や競争以外のモチベーションの見つけ方を考える。 『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』(集英社新書) 「表現」は救いにならない? 三宅 『かすり傷も痛かった』で印象的だったのが、「人は競争から本当に逃れられるんだろうか?」という問いでした。 箕輪 本気で相談していいですか。 三宅 はい。 箕輪 僕にとってみれば、競争のために頑張ることより、むしろ脱競争の方が、辛い道なんですよ。 三宅 うわあ、その感じ、わかるかも。 箕輪 『かすり傷も痛かった』を書い