カイザースラウテルンに向かう途中駅で、オーストラリアのサポーターと遭遇。応援合戦が始まった【 photo by 宇都宮徹壱 】 試合後のミックスゾーンは、日本人記者たちの深い落胆と自虐、そして憤まんやるかたない思いで満ち溢れていた。その外では、オーストラリアサポーターたちの凱歌(がいか)が、いつまでも鳴り止むことなく続いている。そんな中、選手たちは、ある者はうつむき加減に、ある者はじっと一点を見つめたまま、さながら葬儀の参列者のように、無言のまま早足で通り過ぎてゆく。中村は足を痛そうに引きずっていた。坪井の姿も一瞬だけ見えたが、果たしてけがの具合はどうなのだろうか。 宮本はキャプテンとしての義務を果たすべく、きちんとメディアからの質問に応じてくれた。だが、その表情は非常に疲れていて、その言葉は何とも茫洋(ぼうよう)としていた。 「初戦に負けてしまったことで(グループリーグ突破は)難しくな