人目を憚らず、男たちが泣いていた。 12月12日、F1最終戦アブダビGPでドライバーズタイトルを獲得した、マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)を支えたホンダのスタッフたちだ。ホンダのタイトルは1991年のアイルトン・セナ(マクラーレン・ホンダ)以来、30年ぶりとなる。 現場でホンダの技術者たちを束ねてきた田辺豊治F1テクニカルディレクターは、アルファタウリでホンダのチーフエンジニアとして仕事してきた本橋正充を抱きしめ、泣いた。 「うれしかった。長年いろんなことを経験してきましたから。私がいまここでこうしていられるのも、HRD Sakura、HRD UK、ホンダ本社でF1活動を支えてくれているメンバー、そしてここにいる現場のメンバー、それはレッドブル・ホンダ側だけでなく、アルファタウリ・ホンダのメンバーも含めて、多くの人たちの努力と支えがあったから。皆さんに本当にありがとう。そし