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ブックマーク / number.bunshun.jp (280)

  • 硬直化したザックジャパン、3連敗。“雪辱のW杯”に向けて我々も覚悟を。(戸塚啓)

    「ブラジルとの試合ではアプローチを誤った」「イタリアとは互いにハイレベルな試合ができた。体調が良いならこういうプレーができると世界に披露できた」「メキシコ戦ではイタリア戦から疲れが回復していなかった」とコンフェデの3戦を総括していたザッケローニ監督。 3連敗も覚悟はしていた。ザック率いるチームがどこまでできるのかという期待のすぐそばには、1勝もできずに大会を去るかもしれないとの思いが潜んでいた。 だが、イタリアをギリギリまで追い詰めた直後の一戦である。レシフェの観衆を完全に味方につけた戦いをなぞることができれば、メキシコから勝点3を奪える。イタリア戦の内容を結果に結びつければ、チームは自信をつかめる。グループステージ敗退に終わったものの、世界のトップ・オブ・トップをどのようにしたら攻略できるのかという手ごたえをつかめる。 それだけに、突きつけられた現実は重い。 ブラジル戦とイタリア戦が示唆

    硬直化したザックジャパン、3連敗。“雪辱のW杯”に向けて我々も覚悟を。(戸塚啓)
  • イタリア相手に歴史的打ち合い。誇りを取り戻したレシフェの夜。(二宮寿朗)

    「(世界のサッカー強豪国との)距離とかは今、わかりません。負けは負けなので。勝つためにもっと強くならなければいけないな、とは思いますけど」と試合後、冷静に答えていた岡崎。 ブラジルの真裏にいる日のファンのみなさん、JAPAO! JAPAO! の大合唱が聞こえましたか。みなさんの心に、届きましたか。 試合が終わってもブラジル東部、海の広がる都市レシフェの闇夜に、JAPAO! がこだましていく――。 結果で言えば3-4。ブラジル戦に続く敗戦はコンフェデレーションズカップのグループリーグ敗退を意味した。しかしEURO2012の準優勝国イタリアをあと一歩のところまで追い詰めたのは事実であり、目の肥えた王国ブラジルのファンからは惜しみない拍手と声援が送られた。たとえそれが4点も奪われた敗者だったとしても。 会見場に現れたアルベルト・ザッケローニの表情もどこか誇らしげであった。 「我々がやってきたこ

    イタリア相手に歴史的打ち合い。誇りを取り戻したレシフェの夜。(二宮寿朗)
  • ブルガリア戦は何が問題だったのか?豪州戦を前に喫した敗北の意味。(二宮寿朗)

    田圭佑不在の2試合で連敗。ホームに大観衆を集めながら、勝ちにいく姿勢をほとんど見せられないまま敗北した。 シュート数は15対6でチャンスの数は日が上回った。失点は無回転のブレ球FKを弾きそこねた川島永嗣のミスと、FKをクリアし損ねた長谷部誠のオウンゴールによるもので、決して日の守備が崩されたわけではない。防戦一方だったわけでもない。これだけ書けばアンラッキーの敗戦だったように見えるかもしれない。 だが違う。アンラッキーでは片づけられない、重い重い敗戦であった。 「W杯をほぼ手中に収めている」という心の隙がなかったか。 何が一番問題だったか。 筆者がピッチを眺めながら感じたのは「必要以上の余裕」だった。 5月30日に行なわれたキリンチャレンジカップ、ブルガリア戦。この親善試合の5日後には、ブラジルW杯出場がかかる大事なオーストラリア戦が控えていた。日に勝たなければ予選を自動通過する2

    ブルガリア戦は何が問題だったのか?豪州戦を前に喫した敗北の意味。(二宮寿朗)
  • ファーガソン引退は、なぜ今なのか?錯綜する報道と後任をめぐる思惑。(山中忍)

    クラブからファーガソン監督引退が発表された5月8日に、オールド・トラッフォードのスタジアム外壁に張り出されたポスター。 ただただ、「ショック」の一言。 現地時間の5月8日午前、マンチェスター・ユナイテッドが発表した、アレックス・ファーガソン監督の引退にイングランドは揺れた。 何事にも永遠はなく、71歳の大ベテラン監督が、就任27年目で身を引いても不思議はないはずだが、ファーガソンに限っては現役続行しかあり得ないと思われた。引退の可能性が指摘された昨季、地元の宿敵、マンチェスター・シティに逆転優勝を許したことで、生来の負けん気に火がついて翻意を決めた後は、2015年までの続投が定説となっていたのだ。 他ならぬファーガソン自身が、「早々に身を引くつもりはない」とコメントしたのは、引退発表の僅か3日前のこと。突如として「勇退検討中」の噂が流れた発表前夜でさえ、報道は「週末前に何らかの発表がある見

    ファーガソン引退は、なぜ今なのか?錯綜する報道と後任をめぐる思惑。(山中忍)
  • “日本らしさ”か“アジア最強”か?ACL敗退が続くJリーグ勢の実状とは。(戸塚啓)

    アウェイの地で北京国安に2-1で負けた時の広島。昨季のJ王者は、6試合で0勝3分3敗とし、ACLグループリーグで姿を消した。 グループステージで続々と姿を消すのは、もはや当たり前のこととして受け止めるべきなのか。ACLに出場したJリーグ4チームのうち3チームが、ベスト16を前に大会から姿を消した。 ACLの大会フォーマットは、2009年からグループステージの各グループ上位2チームがベスト16へ進出するようになった。同年は名古屋グランパスがベスト4、川崎フロンターレがベスト8まで勝ち上がり、鹿島とG大阪もベスト16入りした。 Jリーグ勢が存在感を放ったのは、残念ながらここまでである。 翌'10年は鹿島アントラーズとガンバ大阪がベスト16入りを果たしたが、どちらも韓国勢に屈した。翌'11年はセレッソ大阪が準々決勝へ進出したものの、ベスト16の対戦カードはガンバとの大阪ダービーだった。 昨年は柏

    “日本らしさ”か“アジア最強”か?ACL敗退が続くJリーグ勢の実状とは。(戸塚啓)
  • ドルトムント16年ぶりのCL決勝進出!“あと1点”をめぐるレアルとの死闘。 (ミムラユウスケ)

    「今日は負けたが、いずれにしても我々は決勝にふさわしいチームだったと思うよ。週末は(ブンデスでの)バイエルン戦だが、今晩の選手祝勝会を止めるつもりはないよ! 選手たちは操り人形じゃないんだから」と試合後にコメントしたクロップ。 生の醍醐味は、その感触である。現場にいるからこその感覚が味わえる。 ドルトムントとの1stレグを1-4で落としたレアル・マドリーを応援するファンたちは最高の雰囲気を作り出した。彼らがスタジアムに来て、生で試合を観るのは、興奮や喜びをじかに感じるほかに、試合の行方にいくらかでも影響を与えるためだ。 拍手をすれば空気が揺れる。声援を送っても空気は揺れる。揺れた空気は音となり、選手たちの耳に直接届く。たとえ知覚できなくとも、皮膚にその振動は伝わる。 ここで彼らの存在がクローズアップされるのは、スペイン人はサッカーをよく知っている国民だからだ。1stレグを1-4で落としてい

    ドルトムント16年ぶりのCL決勝進出!“あと1点”をめぐるレアルとの死闘。 (ミムラユウスケ)
  • セレッソの名物寮長は香川の第二の「お父さん」。~柿谷、南野ら次の寵児を見守る~(森田将義)

    香川真司、清武弘嗣、乾貴士。セレッソ大阪を巣立ち、欧州で活躍する若き才能たちを陰で支えてきた人物がいる。ユースや若手の選手が入る選手寮の寮長、秀島弘だ。 兵庫・有馬温泉の老舗旅館の総料理長を務め、定年後にその腕前が選手の欲不振に悩んでいたクラブ関係者の目に留まり、10年前に寮長に就任。寮の事とは思えぬ豪勢なメニューで選手の胃袋を支えるだけでなく、「サッカー選手も料理人も同じ技術者。料理人は気を抜けば包丁で手を切る。選手もたかが練習と思っていたら怪我をする。人より真剣に、多くの練習をしないと芽が出ないんや」と自らの経験を通じ、選手たちに精神面の指導も行なってきた。 こちらは雑誌『Number』の掲載記事です。 NumberWeb有料会員になると続きをお読みいただけます。 残り: 612文字 NumberWeb有料会員(月額330円[税込])は、この記事だけでなく NumberWeb内のす

    セレッソの名物寮長は香川の第二の「お父さん」。~柿谷、南野ら次の寵児を見守る~(森田将義)
  • 劇的に転がり始めた歴史の歯車。ドルトムント、レアル戦圧勝の裏側。(ミムラユウスケ)

    レアル相手に4得点を決めたレバンドフスキ。試合後には「この試合を勝利で終えても、まだ僕たちは一歩進んだだけだから。4つもゴールを決められたのは、勿論嬉しいけどね。でも、目指しているのは決勝だから」とコメントした。 歴史の転換は、日めくりカレンダーをめくる作業とは似ても似つかない。365枚の同じ重さの紙で作られたカレンダーがめくられるように、淡々と次のステージに進むことなどないのである。 それはむしろ、ダムの決壊に似ている。それまでたまっていたものが、一気に溢れ出すのだ。 だから、衝撃は大きい。一目でわかるくらいに、深く、激しく、新たな歴史の1ページは刻みこまれる。 CL準決勝1stレグのもう1試合、バイエルンがバルセロナを4-0という衝撃的なスコアで下した翌日の4月24日、今度はドルトムントがホームでレアル・マドリーを4-1と蹴散らした。 格上と目されるスペインのチームに、ドイツのチームが

    劇的に転がり始めた歴史の歯車。ドルトムント、レアル戦圧勝の裏側。(ミムラユウスケ)
  • 4人の“FW”香川、岡崎、清武、乾。それぞれの葛藤と代表のこれから。(ミムラユウスケ)

    右上から反時計回りで香川、岡崎、清武、乾。4人の“FW”は、6月4日、埼玉スタジアムで迎えるオーストラリアとの決戦でどんな成長を見せてくれるのだろうか。 淡々とした語り口の中に、キーワードは潜んでいる。 勝てばブラジルW杯への出場が決まるヨルダン戦の3日前、清武弘嗣はこう語った。 「自分は『フォワード』の選手なので(決定的なチャンスに)絡まないといけないと思います」 試合前日にも、こう話している。 「『フォワード』なので、やっぱりゴールに絡むプレーがしたいです」 清武が日本代表でプレーするのは、メディアからは右MFや左MFと表記、紹介されることの多いアウトサイドの攻撃的なポジションだが、選手たちの認識は少し違う。日サッカー協会のメンバー発表の際には、彼らはFWとして登録されている。それは、つまり、ザッケローニ監督が彼らをFWとして認識している、ということを意味しているのだ。 左サイドで起

    4人の“FW”香川、岡崎、清武、乾。それぞれの葛藤と代表のこれから。(ミムラユウスケ)
  • <ヨルダン戦PK失敗を超えて> 遠藤保仁 「次は必ず決める」(佐藤俊)

    絶対に決めなければならなかったPKは、無情にもGKに阻まれた。 勝敗に直結した重大なミス。自信喪失に陥っても不思議ではない。 しかし、3大会連続となるW杯最終予選に臨むこの男は、 やはり只者ではなかった。責任はもちろん感じている。 でも下を向いてはいられない。すぐそこに、次の戦いが待っている――。 不動のゲームメイカーが、代表に懸ける熱き思いを明かした。 後半26分だった。 ペナルティスポットには、遠藤保仁がいた。 「狙いは、右サイド」 PKを蹴る前から方向は決めていたという。スタジアムは異様な静けさとなり、重苦しい空気がピッチを覆った。 審判の笛が鳴り、遠藤が右足を振り抜いた刹那、大きなどよめきが起きた。一斉にヨルダンの選手たちがGKに駆け寄り、窮地を救ったGKの右手を称えた。突破を仕掛けPKを獲得した内田篤人はガックリと肩を落とし、キャプテンの長谷部誠は「まさか」という表情を浮かべた。

    <ヨルダン戦PK失敗を超えて> 遠藤保仁 「次は必ず決める」(佐藤俊)
  • 育成出身者がピッチに6人。セレッソはJ成熟の象徴か。~柿谷、南野の成長に見える意義~(浅田真樹)

    J1第3節、C大阪対FC東京戦を見ていて、その瞬間、思わず「おっ」と声が漏れてしまった。70分、エジノに代わって杉健勇が投入されると、C大阪の選手11人のうち、実に6人(他に柿谷曜一朗、山口螢、扇原貴宏、丸橋祐介、南野拓実)までが育成組織(C大阪U-18)出身者となったのである。 しかも、最近のJリーグでその数を増やしている、大学経由の育成組織出身者はひとりもいない。6人全員が、あくまでJリーグという枠のなかで育てられた選手だという点も、好感が持てた。 あらためて前節(対甲府戦)の記録を確認してみると、彼ら6人は、そこでも全員同時にピッチに立っている。累積警告などの影響による一時的なものではなく、コンスタントにこれほど多くの自前で育てた選手が出場しているのは特筆すべきことだ。開幕3連勝と好調のC大阪を、彼らが支えているのは間違いない。 こちらは雑誌『Number』の掲載記事です。 Num

    育成出身者がピッチに6人。セレッソはJ成熟の象徴か。~柿谷、南野の成長に見える意義~(浅田真樹)
  • ロシアU-18代表デビューを果たした、日本人高校生・篠塚一平の成長曲線。(木崎伸也)

    スパルタク・モスクワのリザーブチームに所属し、ロシアU-18代表デビューも果たした篠塚一平(右)。隣はスパルタクでも代表でもチームメイトのデニス・ダビドフ。 「ロスタイムを含めてわずか6分間のプレーで、ほとんど覚えてない。 ただ、ロシア代表のユニフォームを着てピッチに立てたことは やっぱり嬉しかったです」 篠塚一平(ロシアU-18代表) ロシアU-18代表対ウクライナU-18代表の87分、ついにその瞬間が訪れた。 1月11日、篠塚一平はボランチとしてピッチに立ち、ロシアU-18代表のデビューを果たした。サンクトペテルブルクで開催された親善大会『バレンティン・グラナトキン・メモリアル』でのことだ。 「メチャクチャ緊張しました」 篠塚は少し照れながら振り返った。 「すぐにスローインからボールを受ける場面があったんですが、緊張していたからとんでもない方向にパスしてしまった。ロスタイムを含めてわず

    ロシアU-18代表デビューを果たした、日本人高校生・篠塚一平の成長曲線。(木崎伸也)
  • 今こそC大阪以来の課題を克服する!清武弘嗣の強い危機感とゴール宣言。(佐藤俊)

    ヨルダン戦、清武は自身のゴールこそ無かったものの、香川のゴールのアシストに加え、内田のPK獲得につながるパスを出すなど、決定機を何度も演出した。 「代表の危機感、すごいありますよ」 ブラジルW杯最終予選、ヨルダン戦が終わった後、清武弘嗣は真顔で、そう言った。 ヨルダン戦は、1-2で敗れはしたものの清武自身のプレーは、特に悪いようには見えなかった。 前半は左サイドで酒井高徳ともに攻撃を活性化し、後半、右サイドに移ってからは攻撃のリズムを作り、内田篤人と絡んでチャンスを演出した。 後半24分には、得意のアウトサイドのパスで、香川真司のゴールをアシスト。さらに2分後、ペナルティエリア内で倒され、PKを獲得した内田へのパスはボールの強さ、角度、タイミングともに素晴らしいものだった。 後味の悪い敗戦だったが、清武の活躍は、次に繋がる大きなプラス要素だった。だが、清武自身は、不満気な表情を見せたのであ

    今こそC大阪以来の課題を克服する!清武弘嗣の強い危機感とゴール宣言。(佐藤俊)
  • ヨルダン戦で得た、手ごたえと悔しさ。代表最年少、酒井高徳の長い1日。(ミムラユウスケ)

    試合前、現代表で最年少の酒井は最年長、最多出場の遠藤と肩を組んだ。2歳年上の香川はマンUというビッグクラブでプレーし、代表でも確固たる地位を築いている。酒井はこれからどこまで成長できるだろうか。 ベッドから起きあがり、再びベッドに入るまでを1日とするなら、それは長い、長い1日になった。 3月26日、アンマンで行なわれたヨルダン戦に左サイドバックとして先発した酒井高徳は、試合後にホテルに戻ると、すぐにアンマンにあるクィーンアリア国際空港へ向かった。26時45分発の飛行機でフランクフルトへ飛び、そこからシュツットガルト空港行きの飛行機に乗り継ぐ。そして、ベッドに入ることなく、シュツットガルトのクラブハウスへ。現地の日付で3月27日に行なわれたリカバリーメニューを終え、ようやく自宅へ向かう時刻を迎えた。 自宅へと戻る前、クラブハウスを出てきた酒井は口を開いた。 「全然、寝てないですよ。(フランク

    ヨルダン戦で得た、手ごたえと悔しさ。代表最年少、酒井高徳の長い1日。(ミムラユウスケ)
  • 2大会連続でW杯行きゴールを決める!?ヨルダン戦、岡崎慎司を見るべき理由。(ミムラユウスケ)

    カナダ戦、右サイドMFとして先発出場した岡崎。前半9分には、相手GKのクリアボールを拾うと冷静に相手DFをかわし、GKの頭を越えるループシュートを決めた。 日本代表が5大会連続のW杯出場に王手をかける今日(3月26日)のヨルダン戦で、あなたの視線の先には誰が映るだろうか。 もしも、誰を追えばいいのか迷っているのであれば、点取り屋を象徴する9番のユニフォームを背負う岡崎慎司を追ってみるのはいかがだろうか。 先週金曜日(3月22日)に行なわれたカナダ代表との親善試合のあと、岡崎はこんな課題を口にした。 「今日は(香川)真司がトップ下をやっていたので、もっとあいつを活かせるような場面を作れればよかったんですけど……」 岡崎がお人よしだから、こんな発言をしたわけではない。 では、この発言の真意はどこにあるのだろうか。 「周囲を活かす」という特長を自信をもって語る岡崎。 そもそも、岡崎は、現代表の選

    2大会連続でW杯行きゴールを決める!?ヨルダン戦、岡崎慎司を見るべき理由。(ミムラユウスケ)
  • スペインリーグ初の日本人オーナー、坂本圭介が夢見る「和製欧州クラブ」。(木崎伸也)

    今は赤坂にオフィスを構える坂圭介。バルセロナやレアル・マドリーの育成キャンプを誘致する(株)イープラスユーの代表取締役でもある。 「私たちはサバデルで、日の子供たちを受け入れる体制を 作っているところです。将来、サバデルで5、6人の日人選手が プレーする時代が来てもおかしくないですよ」 坂圭介(スペイン2部・CEサバデルのオーナー) しばしばメディアでは、第一報が間違っていたがために、事実とは異なる情報が一人歩きし、それが定着してしまうことがある。スペイン2部、サバデルのオーナーに関するニュースが、まさにそうだった。 2012年6月、スペインの複数の新聞が次のニュースを報じた。 「日投資家グループがサバデルの買収に動いている」 日の一部のスポーツ新聞も、それを翻訳する形で記事にしている。実際に7月に買収が完了したときも、「日投資家グループがクラブの株の51%を取得した」と

    スペインリーグ初の日本人オーナー、坂本圭介が夢見る「和製欧州クラブ」。(木崎伸也)
  • 地味だが常連、そしてキーマン?高橋秀人、ザックジャパンでの重要性。(細江克弥)

    遠藤保仁と長谷部誠でほぼ固定されているボランチで、出場機会を与えられ続けていることには、バックアッパーとしてのテスト以上の意味がある。 記者席から試合を観ていて“好きなタイプの選手”を見つけると、いつまでもその選手を目で追い続けてしまうクセがある。 その対象はプレーヤーだった頃の自身のポジションにリンクすることが多く、自分の場合は特に、センターバックやボランチの選手に目が行きやすい。柏レイソルの近藤直也、横浜FMの栗原勇蔵、サンフレッチェ広島の青山敏弘、鹿島アントラーズの柴崎岳、ジェフ千葉の佐藤勇人、ファジアーノ岡山の仙石廉などがその例だが、そう言えばちょうど1年前、初めて見たFC東京の高橋秀人に目を奪われたことを今さらふと思い出した。 2012年3月3日、前年のJリーグ王者である柏レイソルと天皇杯王者のFC東京によるゼロックス・スーパーカップ。柏のMF大谷秀和を中心に試合を観ていた自分の

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  • なぜバルデスは突然退団を表明した?バルサで守護神を務めるという孤独。(工藤拓)

    「ビクトル・バルデス、バルセロナの契約延長オファーを断る」 1月17日夜、スペインの通信社『EFE』が1の短いニュースを報じた。 その2時間ほど前、スポーツディレクターのアンドニ・スビサレッタとスポーツ部門の最高責任者であるジョセップ・マリア・バルトメウ副会長は、バルセロナ郊外にある練習場のオフィスにバルデスの代理人ヒネス・カルバハルと父ホセ・マヌエル・バルデスを迎えた。 クラブを代表する彼らは、バルデスに年俸アップを含めた2年間の契約延長をオファーするはずだった。しかし、オフィスにやってきた代理人と父親はバルデスが交渉の席に着く意思がないことをクラブ側に通達。しかもクラブの反対を無視し、ほどなく『EFE』を通してその意思を公表してしまったのである。 「自分のキャリアがバルサで終わるのかどうかは時間が教えてくれる。バルサのGKを務めるのは難しい。自分は長年そのプレッシャーに耐え続けてきた

    なぜバルデスは突然退団を表明した?バルサで守護神を務めるという孤独。(工藤拓)
  • 香川真司が見せた“不思議な笑み”。レアル戦で受けた世界最高峰の衝撃。(豊福晋)

    世界最高峰の戦いを肌で感じることになった香川。C・ロナウドと競り合った時に感じた喜びと悔しさが、さらに香川を成長させるはずだ。 先制しただけに悔しさも残っていたはずだ。望むような形でボールに触る回数も少なかった。交代は後半19分。もっとプレーしたかったという思いもあったに違いない。 それでも、試合後の香川真司は不思議な笑みを浮かべていた。まるで何か面白いものを見つけたときのような、わくわくしているかのような表情がそこにはあった。 「レアルは正直強かったです。ボールの取りどころもなかなか見つからなかった。ロナウドは世界でナンバーワンの選手だと肌で感じられたし、ひとりひとりのスキル、技術、スピード、フィジカルを比較したときに、僕自身もっともっと成長しないといけない、と。レベルの高さはすごいものがありましたね」 ――なんだか、楽しそうですね? 「いや、楽しそうというか、レアルに見せつけられたから

    香川真司が見せた“不思議な笑み”。レアル戦で受けた世界最高峰の衝撃。(豊福晋)
  • “岡崎流”1トップがもたらしたもの。ザックジャパン、2013年初戦の収穫。(二宮寿朗)

    1トップ起用について、試合後に岡崎は「いろんなポジションでプレーできたほうがいい。僕が出ても自分の色を出せるのであれば」とコメント。ラトビアのスタルコフス監督も「一番危険なプレーをしたのは岡崎だと思う」と賞賛した。 面白い内容だったか、そうではなかったか。 ストレートにそう聞かれれば、迷うことなく「面白かった」と答えたい。 ザックジャパンの2013年初戦となる2月6日のラトビア戦は、見るべきポイントがいくつもある興味深い一戦となった。 親善試合ではあるものの、アルベルト・ザッケロー二は「コンディション重視」としてインシーズンの欧州組を優先したのだが、これがなかなか刺激的だった。1トップには前田遼一ではなくザック体制で初めて岡崎慎司を入れ、ボランチには遠藤保仁ではなく昨年5月のアゼルバイジャン戦以来の先発となる細貝萌をテスト。試合終盤には欧州組としてまだベンチに残っていた初招集の大津祐樹まで

    “岡崎流”1トップがもたらしたもの。ザックジャパン、2013年初戦の収穫。(二宮寿朗)