東京電力福島第1原発事故を巡り、業務上過失致死傷罪で強制起訴され一、二審で無罪となった東電の勝俣恒久元会長(83)ら旧経営陣3人の上告審で、被害者参加代理人は13日、審理を担う第2小法廷の草野耕一裁判官を審理から外し、大法廷で審理するよう求める意見書を最高裁に提出した。 意見書によると、草野氏が2019年に最高裁裁判官に就任するまで共同経営者を務めた大手法律事務所は東電や関連会社と関係があり、別の共同経営者が21年に東電の社外取締役に就任していた。「東電と利害関係があり、職務の公正が疑われてもやむを得ない」と主張した。 勝俣元会長ら3人は、検察審査会の2回にわたる起訴の議決を受け、検察官役の指定弁護士が強制起訴した。19年9月の東京地裁判決、今年1月の東京高裁判決とも無罪が言い渡されたが、指定弁護士が上告し、最高裁第2小法廷が審理している。