ディスコとクラブ。DJとダンスミュージック。 ソウルとターンテーブルとミックス・ミュージック。 ゲイとドラッグクィーンとボンデージ。 この文化って、いったい何なんだ? 本書を読んでぼくも久々に、懐かしの 「ツバキハウス」「クラブD」「ゴールド」を思い出した。 それが90年代には一挙に消えていく。 「闇」と「毒」はなく、 危険に演出する者がいなくなったのだ。 今夜はちょっとめずらしい話を綴っておくために本書を選んだ。ニューウェーブやハウスミュージック時代の、ぼくの“お忍びの夜”のことなどだ。 本書は日本を代表する有名DJの、トオルこと高橋透が一念発起して克明に回顧したDJ20年史のようなもので、ぼくが知らなかったことを含めて、たいへんよく書けている。日本の人気DJたちがどのように立ち上がっていったのか、ディスコブームが何をもって日本の都会を席巻していったのか、日本人が黒人の真似をするようにな