岐阜駅を降りると小雪が舞っていて、寒い晩だった。岐阜市内の縫製工場で働く中国人実習生の置かれた労働環境が劣悪だと聞いて、昨日の午後、新幹線に飛び乗って、調査のために行ってきた。 駅から車で20分、とっぷりと闇に包まれた住宅街の中に、縫製工場の寮があった。寮というので大きな建物を予想していたが、相当にくたびれたボロボロの平屋の一軒家だった。 ドアを開くと、20代半ばから、30代半ばの実習生の女性たち6人が笑顔で迎えてくれた。まず、驚いたのは部屋には火の気がないことだ。彼女たちは、重ね着をしたり、ジャンバーを着たりしているが、昨年までの暖冬と今年の寒さは勝手が違う。 寒さをしのぐために、ゴム製の湯たんぽに湯を入れて抱いていたり、ペットポトルにお湯を入れて暖をとっている。手製の餃子をつくって出してくれたが、熱々の餃子が話している間に冷えていくのが早い。 部屋を見せてもらうと、2段ベットが6畳間に