■ 「法とコンピュータ」No.34に34頁に及ぶ論考を書いた 法とコンピュータ学会の学会誌「法とコンピュータ」の最新号(No.34 July 2016)に論考を書いた*1 。この学会では例年、11月ごろに開かれる研究会での依頼講演とパネル討論を各登壇者が後に文章にしたものが、翌年に学会誌として発刊されている*2。今回書いた論考も、30分の依頼講演で話したストーリーに沿って文章化した。 高木浩光, “IoTに対応した個人データ保護制度のあり方”, 法とコンピュータ, No.34, pp.47-81(2016年7月) 頁数に制限なしとのことだったので、講演スライドに沿って文章化していったところ、34頁もの長編になってしまった。前半の8頁は一般向けの導入部なので、これまで私の話を耳にしたことのある方には冗長に思われるかもしれない。9頁目からの「3.個人情報保護法の改正」と、14頁目からの「4.定
本題に入る前に…… 読者のassassinsさんから、「中露や、プーチン大統領を救世主みたいに思ってるブロガーやコメントする方、沢山います。ガンジーさんはどう思いますでしょうか?!」というコメントをいただいたので、私の見解を書こうと思った矢先、次のようなニュースを目にしたことで、「何がプーチン大統領が救世主だ!ふざけるな!」という思いがさらに加速してしまいました。世界を俯瞰した場合は、「アメリカの独走を封じる救世主」のように見えることでしょう。しかし、人一人の命をないがしろにしてしまうような人間を、私は「救世主」などと呼びたくはありません。もちろん選択肢がない……何かを選択せざる得ない状況に追い込まれた上での判断によって、伴ってしまう犠牲はあるでしょう。その究極的状況に倫理観を持ち込むことは、倫理観と現実を理解できない人間のエゴと映るかもしれません。しかし、安易な選択で行った行為を正当化す
衣類や布団、カーテンなどにスプレーするだけで除菌と消臭ができるという「除菌・消臭スプレー」。毎日のようにテレビCMが流れているので、知らない人はほとんどいないでしょう。そのCMの内容はどんどんエスカレートし、「日光以上の除菌力」、さらには「クリーニング級の消臭パワー」などとうたい、まるで天日干し以上、あるいはクリーニングと同等の効果があると喧伝しています。これらのCMに釣られて購入し、毎日使用している人も少なくないでしょう。 除菌・消臭スプレーには、細菌やカビの増殖を抑える除菌成分が含まれています。それらを衣類や布団などにスプレーして付着させることで、雑菌の増殖を抑えて消臭するのです。ところで、除菌成分は人間の健康に悪影響をおよぼすことはないのでしょうか。 除菌・消臭スプレーに関する動物や人間に対する影響を調べたデータがないものかと探したところ、東京都健康安全研究センターの実験データを見つ
電車の中で、自分の隣に座ったり、前に立ったりしている人の衣服から強烈な香料のにおいが鼻を突いてきて、いたたまれない思いをしたという経験をお持ちの方は多いのではないでしょうか。筆者も、しばしばそんな経験をしています。ときには耐え難くなって席を変えることもありますが、混雑時には移動することもできず、じっと我慢せざるを得ません。そのため、最近では電車に乗ることに抵抗を感じるようになりました。 電車の中ばかりでなく、喫茶店やレストラン、居酒屋などでもこうした「香害」が広がっています。その原因は、強烈な香料のにおいを発する柔軟剤(柔軟仕上げ剤)や洗濯用洗剤(柔軟剤入り)です。そうした製品が新たに次々と売り出され、ドラッグストアやスーパーなどにズラリと並んでいます。各洗剤メーカーは、これらをテレビCMで大々的に宣伝しています。そこでは、周辺に「良い香り」を振りまいて周りの人を「気持ちよくさせる」とい
9月になりましたが、残暑はしばらく続きそうです。気象庁の1カ月予報によると今後も全国的に平年より暑い日が続く見込みで、涼しい秋の到来はしばらく先かもしれません。暑い日の注意事項と言えば熱中症ですが、暑さが原因で起きる意外な病気があるそうです。それは「頻尿」。発症するのは比較的まれですが、時に命にかかわることもあるといいます。その仕組みと対策を、よこすか女性泌尿器科・泌尿器科クリニックの奥井識仁院長に聞きました。【医療プレミア編集部】 ◇前立腺肥大症の人は暑気あたりで頻尿になることがある 暑さで体調を崩すことを「暑気あたり」といいます。暑気あたりには、軽いものから重いものまでさまざまありますが、特に注意を要するのが熱中症です。今年は猛暑だったため、メディアでは連日、熱中症の警告が行われていましたが、その中に熱中症になると「尿が少なくなる」という説明があります。事実、暑気あたりになると体が
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