【ウィーン樋口直樹】セルビアは8日、コソボ独立に関する国連総会の決議案を欧州連合(EU)と共に修正する方針を明らかにした。セルビアは先に、コソボの独立を認めず、その法的地位に関する交渉再開を求める独自の決議案を提出していたが、加盟27カ国の大多数がコソボ独立を承認しているEUの説得で妥協に応じた。 修正決議案の詳細は不明だが、EUの要請で、コソボの独立を「容認できない」としていたセルビア原案の表現などが緩和される一方、両国間の交渉再開を求める部分は残るとみられる。ただ、セルビアはコソボの独立を認めない方針に変わりはないとしている。 EU加盟を悲願とするセルビアにとって、コソボに対する強硬姿勢は加盟への大きな障害になっている。オランダ・ハーグの国際司法裁判所が7月、コソボの独立宣言は国際法に違反しないと判断したことを受け、セルビアに対する国際的な圧力が強まっていた。