ブックマーク / note.com/hosodatetsuya (7)

  • ハガキ職人から放送作家、そして。最終回|放送作家 細田哲也

    【放送作家16年目(38歳) 現在】 勢いで、過去16年の回顧録を書き上げたものの、さてここからどうしよう…。 静かに机の奥にしまっておくのも一つですが、やはり、モノを書いてべている人間としては、どこかに出さなければ意味がないという気持ちもありました。 「ハガキ職人」も「放送作家」も、テレビやラジオの舞台裏を書いたとて、今や世間の関心を引くコンテンツとは思えません。しかも日々、情報が更新されているこの時代に、16年前の昔話など誰も喜ぶはずがない。 noteへの投稿は何の計画性も意図もなく、ただの思いつきでした。リアルに言うと、仕事帰りに一人で喫茶店にいて、これから友人と合流してご飯に行くところでした。友人から「1時間遅れます」という連絡が来て、暇を持て余して、何となくノートパソコンから第1話を投稿してみた、それだけです。 翌朝。目を覚ますと、知り合いから何通かLINEが届いていました。

    ハガキ職人から放送作家、そして。最終回|放送作家 細田哲也
    jigen88jigen
    jigen88jigen 2017/09/24
    「作家っていう仕事を選んだことがそもそも間違いだったと本気で考えた」っていう話は本当に他人事とは思えなかった。久しぶりに心に突き刺さるコンテンツだった。読むことができてよかった。
  • ハガキ職人から放送作家、そして。14|放送作家 細田哲也

    【放送作家10年目(31歳) 2011年】 そこから3年は、ほぼ仕事中心の毎日でした。作家10年目で、ある程度のレベルで書けるようになっていたことと、まだ30代前半で重宝がられたこともあり、僕は僕で金欠を味わった経験から仕事を断ることが出来ませんでした。 自らのキャパを大幅に超えた仕事量を抱えてしまったのです。 後輩の作家にお金を払ってネタ出しを手伝ってもらうも、そのクオリティに満足できず、結局は自分でやってしまう。僕は、何でも自分でやらないと気が済まないタチでした。 そして仕事量が増えていくにつれて、時間の使い方と頭の切り替えに悩むようになります。 作家の作業はざっくり3つに分けられると思っていて、①は企画を考えること、②は台(構成・流れ)を書くこと、③が調べ物です。 不思議なことに①をやった後には、すぐには②に取りかかれず、逆の場合も然り。(僕だけかも知れませんが)思考を切り替えるた

    ハガキ職人から放送作家、そして。14|放送作家 細田哲也
    jigen88jigen
    jigen88jigen 2017/09/23
    典型的な激務による鬱病。辞めるって言ったのにはこういう背景があったのか。ようやく核心に近づいてきた。
  • ハガキ職人から放送作家、そして。9|放送作家 細田哲也

    【放送作家7年目(28歳) 2008年】 僕はゴールデンのテレビ番組の会議に加わることになりました。以前、お笑いライブでご一緒した先輩のHさんが、その番組のチーフ作家をやっていて一存で呼んでくださったのです。 その番組にはすでに6人の作家がいて、深夜枠からゴールデンに昇格したのを機に、(作家では)僕一人が新たに加わるという形でした。 Hさんに呼ばれてテレビ局に行くと、何の説明もなくポンと会議に入れられました。僕を含めた作家7人と、チーフプロデューサー(総合演出)とディレクター7人が向かい合うように座り、その周りをADさんらが囲む40人超の大所帯です。 「はじめまして」の挨拶もたったの30秒程度、怒涛のごとく会議は進んでいきました。決めなければならないことが山ほどあり、僕のような新人作家をイジっている暇などないのです。 僕は途中から加わったこともあり、会話に耳を傾けながら「今、何について話し

    ハガキ職人から放送作家、そして。9|放送作家 細田哲也
    jigen88jigen
    jigen88jigen 2017/09/15
    “楽しい番組を作ろうという気持ちは同じでも、テレビの会議で(作家同士が)和気藹々としている現場は少ないです。やはり個人事業主の集まりなので、会議という場では敵同士という感覚があります。”
  • ハガキ職人から放送作家、そして廃業へ。8|放送作家 細田哲也

    【放送作家4年目(25歳) 2005年】 1年目にサブ作家として出入りしていたラジオ局で、メインの作家として初めてのレギュラー番組が決まりました。新しくナイナイANNのディレクターになったGさんが、僕を別番組の作家として使ってくれたのです。Gさんは 「お手伝いとはいえ、ギャラが出ていないのはおかしい」 と初めて実際に動いてくれた人です。 人からそう言われたわけではありませんが、ナイナイANNからは支払えないけど、別番組でギャラを出すからナイナイの方もお手伝いとは思わずにしっかり頼むね、ってことだったと思います。 それまで僕がやっていたハガキの仕分け(コーナーごとに分ける作業)も、もうやらなくていいと言い、そこから局のバイトさんにやってもらうようになりました。 Gさんとは、レギュラー以外にも深夜の特番を2年間で50以上やらせていただきました。深夜の特番枠は各事務所が推している(これから推

    ハガキ職人から放送作家、そして廃業へ。8|放送作家 細田哲也
    jigen88jigen
    jigen88jigen 2017/09/08
    このくだりは自分だけじゃなくヘビーリスナーはみんな泣くと思う。“「お前からもろた黒ひげや。残念やけど、この黒ひげは今回の引越しで脱落やな。せやからお前に返しとくわ」”
  • ハガキ職人から放送作家、そして廃業へ。6|放送作家 細田哲也

    【放送作家2年目(23歳) 2003年】  サブ作家をクビになり、仕事は週に1度ナイナイさんのラジオだけ。ヒモ状態の僕は、いよいよ暇を持て余してエロサイトを作りました。  タイトルは『手●キ名人』。当時、エロ動画の無料サンプルを紹介するサイトがネット上には乱立しており、僕はそれをよく利用していました。しかし、ページも動画も無数にありすぎて選ぶのが面倒。そこで思いついたのが、自分がハマっていたジャンル「手●キ」の動画だけを集めたサイトです。大学時代にHTMLというホームページの仕組みを習ったことがあり、パパパッとページを作ってネット上に公開しました。  動画を仕入れるのも簡単で、他のサ

    ハガキ職人から放送作家、そして廃業へ。6|放送作家 細田哲也
    jigen88jigen
    jigen88jigen 2017/09/06
    エロサイトの制作は自分もやろうとしたけど結局怖くてできなかったこと。ハガキ職人から作家になることといいこの人は自分ができなかったことをことごとくやってきてる。自分の上位互換のように思える。
  • ハガキ職人から放送作家、そして廃業へ。5|放送作家 細田哲也

    【放送作家1年目(22歳) 2002年】 サブ作家の仕事を続けて半年が過ぎた、ある木曜日。Bさんに呼ばれて別フロアにある会議室に行きました。ドアを開けると、そこにはナインティナインの岡村さんと矢部さんがいました。 Bさんはまたも唐突に 「こいつ、ハガキ職人の顔面凶器です。今週から、サブに付けますので」 とお二人に僕を紹介しました。 すると岡村さんが「そのトレーナー、俺も同じの持ってるわ」と僕の着ていたスウェットをイジってくれました。僕は緊張で何と返していいのか判らず、かといって何も言わないも失礼だと思い、「4千円で買いました」と、よく判らない返しをしたのを覚えています。 そこには番組のチーフ作家さん、サブ作家のAさんもいて、僕はその下の「お手伝い」という立ち位置で番組に加わることになりました。もちろんギャラは出ません。当然ながら僕には断る理由がなく、自分が好きで聞いていた番組に加われるなど

    ハガキ職人から放送作家、そして廃業へ。5|放送作家 細田哲也
    jigen88jigen
    jigen88jigen 2017/09/05
    2002年から12年てことはちょうどナイナイANNが終わったタイミング。岡村さんANNには入らなかったってことか。もちろん収入的には別のテレビ関係の仕事がメインだったんだろうけど。その辺もすごく気になる。
  • ハガキ職人から放送作家、そして廃業へ。1|放送作家 細田哲也

    2017年8月5日は、僕が人生で2番目にたくさん泣いた日です。 同棲していたカノジョが言った「お金、足りてるの?」という一言がきっかけでした。それは僕自身がここ1年ずっと気に掛かっていたことで、怖くて目を背けていた深刻な問題でした。カノジョにしたら、週に2日しか仕事に出ていかない僕を見て心配にならない方が不自然です。 しかし、僕の仕事フリーランスの放送作家という特殊な収入形態であること。つまらないプライドが捨てられずにいる僕の性格を理解して、ずっと言わずに我慢してくれていたのです。 16年前、深夜のラジオ番組『ナインティナインのオールナイトニッポン』へのハガキ投稿をきっかけにディレクターに拾われ、僕は22歳で放送作家になりました。26歳で年収1400万円を越え、若くして身の丈に合わないお金を手にして、天狗になり調子に乗り、貯金もせずに夜の街で遊び呆ける毎日。 仕事をいただける感謝の気持ち

    ハガキ職人から放送作家、そして廃業へ。1|放送作家 細田哲也
    jigen88jigen
    jigen88jigen 2017/09/03
    どこかの知らない作家さんかと思ったらまさかの顔面凶器。同じ時代にナイナイANNにハガキ書いてた自分にとっては憧れの存在。続きが気になる。
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