世界の料理と、家族と仲間と、子育てとちょっぴり恋愛と(各国レシピ、オリジナルWebマンガ、小説、エッセイ) 数日前のことである。冬一郎は、2人の新しい友人と出会った。 1人は、児童館で先生に紹介してもらったナタリアさんという元気な女性。もう1人は、少しミステリアスな雰囲気を持つ男性で、ラジャと名乗った。両人ともにアメリカ人である。 駅前のスターバックスで、出会ったばかりの2人と、冬一郎はお茶を飲んだ。実はベンとミカエルも少しの間いたのだが、ベンが眠いと言い出してすぐに帰ってしまったのだ。 「お名前は、冬一郎君、でしたか」 急に自分に会話の矛先が向いて、冬一郎はぎくりとした。冬一郎は、初対面の人間と会話するのは得意ではない。英語を使わねばならないとなると、尚更、萎縮してしまう。相手の目を見るのも恥ずかしくて、なんとなく下を向いてしまうくらいだ。ラジャはそんな冬一郎を観察するようにじっくり眺め